広島県呉市の郊外に位置する歯科医院。外観、1F玄関・アプローチを含め、2Fの診療フロア全体をリノベーションしました。近年、コンビニエンスストアと同等数存在し、患者様の獲得競争も激化している歯科医院。施主様である院長先生からは、これからも患者様に信頼され、地域に貢献し続ける歯科医院であるよう、清潔感や快適性を追求するとともに、「あっと驚くような意匠にしてほしい」とのご要望がありました。そこで、「歯科医院とは思わせない異空間」をコンセプトにプランニング。診療を続けながら、2期に分けての工事を実施しました。リノベーション後は新規の患者様の来院も増え、スタッフの方々からも働きやすくなったとの声が上がるなど、うれしい変化が生まれています。
受付と待合室には、特別感や居心地の良さを感じさせる工夫をふんだんに取り入れました。エレベーターの目の前には、明るく清潔感あふれる受付カウンターを配置。患者様との距離を近くすることで、安心感や親しみ感を創出します。待合室の中央に位置するエレベーターは、三方の壁にタイルを貼るとともに、下部をクッションで囲み、座り心地のいいイス仕様に。まるで高級ホテルのロビーのような、落ち着いた空間が生まれました。また、フロア全体にスピーカーが埋め込まれたダウンライトを設置。突起物をなくすことで、天井の低さが気にならないよう工夫しています。
大理石調の天板と足元の間接照明が高級感を生み出す受付
トイレ・洗面スペースは、やわらかな曲線の壁でカバー
無機質なエレベーターの壁三方を、壁や建具との同系色タイルで囲み、待合室との一体感を演出
白を基調とした診療スペースには、できるだけ間仕切り壁を設けず、ガラスや鏡を多く使用。光が通ることで、広く明るい開放的な空間が生まれました。診療台1台当たりの面積は、通常の倍の広さを確保。患者様は、ゆったりとリラックスした状態で治療を受けることができます。2期工事となった奥の診療スペースは、より一層高級感や特別感に包まれた空間に。吹き抜けの下には、タイルで装飾した遊び心のある池のオブジェを作成し、患者様を楽しませる工夫もプラスしました。また、スタッフがスムーズに動け、患者様とのコミュニケーションも取りやすいよう、動線にも配慮した設計となっています。
診療台の間仕切りはガラス+スモークにし、天井・床・ブラインドのカラーも白系で統一
空間が広く感じられるよう、折り上げ天井を設置。照明の配置にもデザイン性を加えて
2期工事側の診療スペースは石目調の床タイルと壁で、より高級感あふれる空間に
中央部分には、伸びやかな吹き抜けと池の形のオブジェを設置
外観と1Fエントランスは現状のベースを活かしながら、必要最小限のリフォームでイメージを一新。入口から2Fの受付に上がるまでのアプローチには、石調のタイルや間接照明を使用することで高級感を演出するとともに、明るく入りやすい印象を与えるよう意識しました。
間接照明を効果的に配することで、上品な印象の外観に
白い床と石調タイルの組み合わせが映えるエントランス
築年 | 1993年 |
---|---|
地域 | 広島県 |
従業員 | 18名 |
工事概要 | 全面リフォーム |
工期 | 6カ月(診療しながら)+2期目(1部屋)2カ月 |
リフォーム面積 | 126.35㎡ |
---|---|
構造規模 | 鉄骨3階建 |
地域区分 | 第一種住居地域 |
工事費 | 約6,400万円 |
設計・施工 | 積水ハウス建設中国四国株式会社 |